○あさぎり町認知症初期集中支援事業実施要綱

平成27年9月1日

告示第56号

(趣旨)

第1条 本要綱は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号に基づく認知症施策推進事業における認知症初期集中支援推進事業について定めるものとする。

(目的)

第2条 この事業は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域の良い環境で暮らし続けられるために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(実施主体)

第3条 この事業の実施主体は、あさぎり町とする。

(支援チームの配置と役割)

第4条 支援チームは、あさぎり町地域包括支援センターに配置する。

2 支援チームの役割は、認知症に係る専門的な知識・技能を有する意思の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人や認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問、観察・評価、家族支援などの初期の支援を包括的、集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。また、かかりつけ医、かかりつけ歯科医、認知症サポート医、認知症に係る専門的な知識・技能を有する医師、認知症疾患医療センター職員、介護事業者との連携を意識し、情報が共有できる仕組みを確保する。

(認知症初期集中支援チーム員の構成)

第5条 認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)は、医療保健福祉に関する国家資格(保健師・看護師・社会福祉士・精神保健福祉士・介護福祉士等)を有する2名以上と、専門医1名の計3名以上の専門職にて構成する。

2 専門医は、日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医である医師をいう。ただし、当該要件に該当する医師の確保が困難な場合は、次のいずれかに該当する医師を専門医とすることができる。

ア 日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で認知症サポート医研修を受講する予定である者

イ 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(チーム員の役割)

第6条 医療保健福祉の専門職は、目的を果たすために訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために訪問活動を行う。

2 専門医は、他のチーム員をバックアップし、認知症に関して専門的見識から指導・助言等を行う。また、必要に応じてチーム員とともに訪問し相談に応じる。

3 訪問する場合のチーム員数は、初回の観察・評価の訪問は原則として医療系職員と介護系職員それぞれ1名以上の計2名以上で訪問することとする。また、観察・評価票の記入は、チーム員である保健師又は看護師が行う。

(訪問支援対象者)

第7条 訪問支援対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる人又は認知症の人で、次の各号のいずれかの基準に該当する者とする。なお、訪問支援対象者の選定の際には、第2号に偏らないよう留意する。

(1) 医療サービス、介護サービスを受けていない者、又は中断している者で以下のいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス、介護サービスを受けているが認知症の行動・心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(事業内容)

第8条 事業の実施内容は、次の各号についていずれも実施する。

(1) 支援チームに関する普及啓発

 地域住民や関係機関・団体に対し、支援チームの役割や機能について広報活動や協力依頼を行う。

(2) 認知症初期集中支援の実施

 訪問支援対象者の把握

町及び地域包括支援センターは、本事業の訪問支援対象者の把握に努めるものとする。

 情報収集

訪問時には十分な情報を得るために、家族などのあらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、本人の現病歴、既往歴、生活情報等に加え家族の情報などを収集するものとする。また、信頼性・妥当性の検証がされた観察・評価表を用いて、認知症の包括的観察・評価を行う。

 初回訪問の実施

初回訪問はおおむね2時間以内とし、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診や介護保険サービスの利用の効果に関する説明及び訪問支援対象者やその家族の心理的サポートや助言などを行う。

 チーム員会議

初回訪問後、訪問支援対象者ごとに観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医も含めたチーム員会議を行う。必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、町関係課職員等の参加も依頼する。

 初期集中支援の実施

認知症初期集中支援は、訪問支援対象者が医療サービスや介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、おおむね最長で6箇月とする。

医療機関への受診が必要な場合の動機付けや継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨・誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境などの改善などの支援を行う。

 初期集中支援の終了とその後のモニタリング

認知症初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合は、認知症疾患医療センターや担当介護支援専門員等と同行訪問を行うなどの方法で円滑に引継ぎを行う。

また、支援チームは引継ぎの2箇月後に、サービスの利用状況などを評価し、必要性を判断の上随時モニタリングを行う。なお、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類は5年間保管する。

(報償費)

第9条 前条第2号に定めるチーム員会議への出席に対する専門医の報償費の額は、1回当たり22,000円とする。

(認知症初期集中支援チーム検討会の設置)

第10条 医療・保健・福祉に携わる関係者等から構成される「認知症初期集中支援チーム検討委員会」(以下「検討委員会」という。)は「あさぎり町地域包括支援センター運営協議会」に置く。検討委員会は、支援チームの設置及び活動状況を検討し、関係機関・団体と一体的に当該事業を推進していくための合意が得られる場となるよう努める。

2 支援チームと医療関係者との連携を図るため、認知症疾患医療センターや地元医師会との事前協議や主治医(かかりつけ医)に対する連絡票など情報の共有化に向けたツールの作成やそれを用いた地域の連携システムの構築を図る。

(守秘義務)

第11条 支援チームは、支援チームの業務で知り得た秘密及び個人情報を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

この要綱は、平成27年9月1日から施行する。

(平成30年5月29日告示第24号)

この要綱は、告示の日から施行し、平成30年4月1日から適用する。

あさぎり町認知症初期集中支援事業実施要綱

平成27年9月1日 告示第56号

(平成30年5月29日施行)