木造釈迦如来坐像・木造二天王立像が国指定重要文化財として答申されました!
令和7年3月21日、国の文化審議会において、あさぎり町須恵の阿蘇釈迦堂所在の木造釈迦如来坐像1軀、木造二天王立像2軀を新たに国の重要文化財(美術工芸品)に指定することと、木造騎獅文殊菩薩騎象普賢菩薩像2軀を附指定することが、文部科学大臣に答申されました。
今後は官報告示をへて正式な指定となり、指定後はあさぎり町の国指定重要文化財(美術工芸品)は3件となります。
文化財の説明とその評価
木造釈迦如来坐像・木造二天王立像は、須恵(阿蘓地区)の阿蘇釈迦堂に伝わる仏像です。3体すべてが平安時代に造られたとみられ、木造釈迦如来坐像には平安時代の仏像彫刻様式に則った穏やかで繊細な作風が表れています。また、木造二天王立像のうち左方天からは、製作年とみられる仁平二年(1152)の年紀と、当時の在地領主であった須恵氏の人物とみられる藤原家実と、同じく当時の在地領主のひとつであった平河氏の人物で家実の妻とみられる良峯氏の名前を確認することができます。
このように、地方において数少ない銘文の残る彫刻として貴重であることや、保存状態が比較的良好なこと、そして周辺の仏像との関わりや、この地域の仏師が都(現在の京都周辺)の仏像製作の様式を取り入れる様子といった地方の仏像製作のあり方を伺うことができるという点が高く評価され、今回の答申につながりました。